「ブログ」blog

新着情報

2026.08.31

ブログ

今日のできごと

今日のできごと|食事も運動も頑張っているのに、どうしてLDLコレステロールは上がるの?

「食事も気をつけています。そんなに偏った食事でもないと思います」

「運動も頑張っているのに、毎年コレステロールが上がってきたんです」

「薬を飲んだら下がったので、これからも食事と運動を頑張れば、一度薬をやめてみてもいいですか?」

LDLコレステロールについて、診察室でよく伺うお話です。

まず知っておいていただきたいのは、

LDLコレステロールが上がる原因は、食事や運動だけではない

ということです。

もちろん、食事や運動はとても大切です。

食事の内容を見直すことでLDLコレステロールが下がることがありますし、一定量以上の有酸素運動を続けることで、LDLコレステロールが低下することも報告されています。

ですから、食事や運動に取り組むことには、きちんと意味があります。

ただし、同じように取り組んでも、下がり方には個人差があります。

そもそも、私たちの体の中にあるコレステロールは、食事から入ってくるものだけではありません。

肝臓など、体の中でも作られています。

また、食事に含まれるコレステロールを腸からどのくらい吸収するかにも個人差があります。

さらに、血液中のLDLコレステロールを肝臓へ取り込む仕組みや、遺伝的な体質、甲状腺ホルモンなども関係しています。

女性では、閉経前後の女性ホルモンの変化も、LDLコレステロールが上昇する要因のひとつです。

つまり、

「LDLコレステロールが高い=食べ方が悪い、運動が足りない」

と単純には言えないのです。

「もっと食事を厳しくしなければ」

「もっと運動しなければ」

と必要以上に自分を追い込むのではなく、まずは今の生活を振り返り、それ以外の要因についても考えてみることが大切です。

一方、薬を始めてからLDLコレステロールが下がった場合には、その改善には薬の効果も含まれていると考える必要があります。

薬によってLDLコレステロールが下がっている場合には、中止すると再び上昇することがあります。

では、一度薬を始めたら、ずっと続けなければならないのでしょうか。

それも、一人ひとり違います。

ここでも大切なのは、LDLコレステロールの数字だけを見て決めないことです。

年齢や性別、家族に心筋梗塞などを起こした方がいるか、自分自身に心筋梗塞や脳梗塞などの病歴があるか。

さらに、血圧、糖尿病、喫煙、腎臓の状態なども確認します。

こうした条件を総合して、その人が将来、動脈硬化による病気を起こす危険性がどのくらいあるのかを考え、目標とするLDLコレステロールの値を決めていきます。

同じLDLコレステロールの値でも、目標とするところが全員同じとは限りません。

だからこそ、

「下がったから薬をやめる」

「上がったから薬を飲む」

と数字だけで考えるのではなく、

なぜ上がったのか。どのくらいまで下げる必要があるのか。

そこから考えることが大切です。

食事や運動を続けることには、もちろん意味があります。

そして、薬が必要だからといって、生活習慣の努力が足りなかったということではありません。

今日のひとこと

LDLコレステロールは、食事や運動だけで決まるものではありません。

生活習慣を大切にしながら、自分にはどのような要因があり、どのくらいまで下げる必要があるのか。

一緒に考えていきましょう。

監修医師 加藤 利基
監修医師 加藤 利基
かとうホームクリニック 院長
医学博士 / 名古屋市西区医師会 会長 /
がん治療認定医機構 認定医