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2026.10.02

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健診結果を放置しないためのミニ講座

足がむくんでいます。薬で治した方がいい?

「夕方になると、靴下の跡がつくんです」

「最近、足首のあたりがむくんでいます」

診察室でよく伺うお話です。

足のむくみには、いろいろな原因があります。

例えば、朝は気にならないのに、夕方になると両足が少しむくむ。

長い時間、立ったまま、あるいは座ったままで過ごした日には目立つ。

こうしたむくみは、重力の影響などによって下半身に水分がたまりやすくなることで、日常的にもみられます。

一方、ご高齢の方を診察していると、

両方の膝から下がいつも少しむくんでいる。

あるいは、両方の足首から足の甲にかけてむくみが続いている。

そんなこともあります。

そこでよく聞かれるのが、

「水がたまっているのなら、利尿薬で出した方がいいですか?」

という質問です。

ここは、とても大切なところです。

むくみがあることと、そのむくみを薬で治療する必要があることは、同じではありません。

むくみの原因は一つではありません。

心臓や腎臓などの病気が関係することもあれば、足の静脈やリンパの流れ、活動量、長時間同じ姿勢でいること、薬の影響など、さまざまなことが関係します。

特にご高齢の方では、いくつかの要因が重なっていることもあります。

そのため、

「むくんでいるから、利尿薬で水を出す」

と単純には考えられません。

原因によっては、利尿薬を使っても期待するほど改善しないことがあります。

反対に、必要以上に水分を身体から出せば、脱水や血圧低下、腎機能や電解質への影響など、別の問題につながることもあります。

もちろん、治療が必要なむくみもあります。

急にむくみが強くなった。

数日のうちに体重も増えてきた。

息苦しさを伴う。

片方の足だけが急に腫れた。

痛みや赤みを伴っている。

こうした場合には、いつもの軽いむくみとは分けて考える必要があります。

むくみを見つけたときに大切なのは、

「どうすれば水を抜けるか」から考えることではありません。

いつからなのか。

片方か、両方か。

朝には軽くなるのか。

ずっと続いているのか。

体重は変化しているか。

ほかに症状はないか。

そして、どのような病気があり、どのような薬を飲んでいるのか。

一つずつ確認して、身体全体の状態から考えます。

治療が必要なむくみもあれば、薬を使わず経過を見るむくみもあります。

「むくみを完全になくすこと」だけを目標にするのではなく、そのむくみがなぜ起きているのか、治療する必要があるのかを考えることが大切です。

 

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【執筆医師】  加藤 利基
   
【執筆医師】 加藤 利基
かとうホームクリニック 院長
医学博士 / 名古屋市西区医師会 会長 /
がん治療認定医機構 認定医